日本経済団体連合会から発せられた“2021年度以降に入社する学生を対象とする採用選考に関する指針を策定しない”との見解を受け、関係省庁や政府において就職・採用活動のあり方についての議論が本格化しようとしています。就職・採用活動に関する課題は、就職・採用活動の時期だけに留まらず、大学における教育システムや教育の質の確保のあり方、さらには雇用システムなど、社会制度に大きな影響を及ぼす重要政策を決定づけることとなります。
これらの動向を受け、このたび、日本私立大学連盟では、わが国の発展に貢献し未来を切り拓く若者の人材育成の重要性を踏まえ、私立大学の立場から、これからの時代にふさわしい就職・採用のあり方をとりまとめました。
提言では、「学生経験時間」※の確保を前提とした、学生の自由で主体的な選択を可能とする複線的な採用方法(新卒一括採用と通年採用[原則、卒後]の併用)の導入を提案しています。
※「学修経験時間」:授業等の学修時間をはじめとした、留学やインターンシップ、課外活動等の学生が多様な経験を積む時間
提言「新たな時代の就職・採用と大学教育―未来を拓く多様な人材育成に向けて―」
同提言のとりまとめにあわせ、4月11日(木)にアルカディア市ヶ谷 6階「阿蘇」において、報道機関関係者との懇談会を開催しました。当日は報道関係各社から24名、私大連から15名の出席がありました。
懇談に先立ち、鎌田薫会長(早稲田大学前総長)から挨拶があり、続いて田中優子常務理事(法政大学総長)より提言についての説明・報告がありました。その後、私立大学における諸課題として、圓月勝博教育研究委員会委員長(同志社大学学長補佐)から「私立大学における教育の質向上に関する取り組み」について、事務局から「高等教育の無償化と入試改革における課題」について説明・報告がありました。
提言について説明する田中常務理事
続いて行われた懇談では、就職・採用活動をめぐる諸問題や、教育の質保証と学修成果の可視化等、現在の私立大学を取り巻く課題について、活発な意見交換、質疑応答が行われました。
報道関係者との懇談の様子